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値頃、いや、根来放談@『アートコレクター』

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10月24日発売の『アートコレクター』12月号(生活の友社)は、特集「メイド・イン・ジャパンの実力~日本人の「技術力」って、あらためて凄い!!」。15代樂吉左衛門から、並河靖之による明治の七宝、装飾用義肢まで取り上げる中で、特集冒頭の「『根来』 スペシャル座談会 〝現代に数寄者はいるのか〟 田島 充+杉本博司+山下裕二」を担当させていただいた。

これは現在大倉集古館で開催中の「特別展 根来」に連動したもので(会場写真はこちら)、ロンドンギャラリー代表の田島充さん(古美術商)、おなじみ山下裕二教授(明治学院大学)、先日高松宮殿下記念世界文化賞を受賞したばかりの杉本博司さん(現代美術作家)という、古いものも現代ものもヒジョーによく見ている上、いずれ劣らぬ毒舌家で、互いのつきあいは四半世紀に及ぶというお三方を集めて行われた。

今を去ること25年前、大学院生の山下裕二さんは、白洲正子もその実力を認めた新進気鋭(当時)の古美術商・田島充さんの扱う水墨画の名品を見せてもらいに、店へ通っていた。そこにはまだ作家稼業だけでは喰えないNY在住の杉本さんが、副業(ほとんど本業になりかけていたのだが)として営んでいた古美術商の仕入れその他に顔を出し、店主との古美術談義の合間に、若き山下院生の背中を見かけている…というわけだ。

それが現在では3人とも功成り名を遂げ(笑)、こうして顔を揃えて座談会を催すまでになりました、という山下教授の口上から、座談会は始まった。

開催場所は築地の料亭・新喜楽。毎年芥川賞、直木賞の選考会が行われることで知られ、建物は吉田五十八の手になる昭和の数寄屋。その大広間に出品作品の一部を並べての、豪華放談である。

話は縄文時代まで遡る日本の漆芸の端緒から始まり、研究の少ない漆工芸をどう評価していくべきか、根来寺はじめ寺社で作られていた漆器のあれこれ、日本における「朱」という色の聖性、内外のコレクションの状況からマーケットの動向まで、さすがお三方らしく、古今東西を自由に行き来する。

中でも注目すべきは、マーク・ロスコと根来の類似性、そしてロスコと杉本博司の新作、というあたりだろう。ここでネタバレするわけにはいかないので、興味のある方はぜひ雑誌をお買い上げの上、お読みいただきたい。

展覧会自体は、数十年ぶりに日本中からピカイチの根来ばかりが集められた、素晴らしいもの。杉本さんがもう何年も狙っている、平安時代まで遡る田島氏のコレクションも出展されている。出展作は今後長く「根来」の基準とされるだろう。こちらも皆さまぜひ、足をお運びを。詳細な展覧会紹介はまた後日アップします。

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