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宝物庫の扉の前には・・・

梅酒が眠っている。

というわけで、もう少し三溪園取材こぼれネタを。『芸術新潮』の記事は、建築より展覧会の出品作寄りなのだが、撮影の際、広報・吉川さんの計らいで、宝物庫をちらっと拝見することができた。

建築は大正時代。とはいえ、コンクリート造で非常にしっかりしている。先日拝見した水戸徳川家の蔵とよく似た雰囲気で、収蔵庫本体は小さな木製の階段を上がった中二階部分にある。銀行の大金庫を思わせる金属製の分厚い扉には、三溪自身の揮毫になる「国華」の文字が! いやー、「普賢菩薩像」東京国立博物館蔵(国宝)も、「寝覚物語絵巻」大和文華館蔵(国宝)も、「高野切」個人蔵(国宝)も、「地獄草紙絵巻」奈良国立博物館(国宝)も、「浮線綾蒔絵螺鈿手箱」サントリー美術館蔵(国宝)も、全部この中に入っていたのかと思うと、
ひときわありがたみが増すよう(笑)。

しかし国華の文字より何より、我々取材班の目を惹いたのは、扉の手前に積み上げられた、梅酒と覚しきガラス瓶の山。明らかに自家製で中身はこってりとした黄金色に変じている。も、もしやこれは三溪在世中に漬けられた、国宝級の梅酒では!?

なわけがあるはずもなく、これは三渓園内の梅林で採れた梅の実を漬けたものだと吉川さん。ただ、場所柄たびたび燻蒸(!)されているので、ちょっとコワくて誰も飲まないんですよねえ、とのこと。5万坪以上の敷地があるのだから、なにもこんな場所に保管しなくても・・・。

敷地内の梅の活用法といえば、北野天満宮がお正月に縁起物として授与(有料)する「大福梅」が有名だが、三渓園もこれに倣って、「三渓園梅林梅酒」として売り出せば、名物になりそうだ。燻蒸さえかかっていなければ、ひと瓶抱えて帰りたいほど見事な浸かり具合だったのだが。

ちなみに宝物庫の扉の写真はこれまでほとんど雑誌等への掲載はなかったが、次号『芸術新潮』に掲載予定。梅酒の瓶は写っていませんが、どうぞお楽しみに。

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コメント

燻蒸梅、雅ですねー(笑)。
複雑な表情で瓶を小脇に抱えて小走りする橋本嬢を想像してしまいました。
ブログの更新、楽しみに日参いたすものでありますっ。

投稿: あおやま | 2009年10月12日 (月) 19時59分

青山さま、記念すべき初コメント、ありがとうございます。おかげさまでコメントバージンを捨てることができました(笑)。なるべく毎日更新(ホントか?)を心懸けて参りますので、どうぞ御贔屓に。

投稿: 橋本麻里 | 2009年10月12日 (月) 21時14分

“この宝物庫は現在使用されておりません…。”
番号違いの電話をかけた時のようなコメントからとなってしまいましたが、まもなく始まる特別展でお宝をお借りする立場からひとこと、言い訳のような追加コメントをさせていただいた次第です。お宝ご提供施設の方々、現役の収蔵庫はほかにございますのでどうぞご安心を!
橋本さま、先日のご取材ではお世話になりました。特別展にはぜひお越しを。お待ちしています。

投稿: 三之谷の関係者 | 2009年10月15日 (木) 13時44分

そのとおりです! 収蔵庫自体もはや「歴史的建造物」というか、お宝状態ですので、現役は引退されております。ご指摘ありがとうございました。展覧会、始まるのが楽しみです。

投稿: 橋本麻里 | 2009年10月15日 (木) 15時21分

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