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2010年1月

「G-tokyo 2010」、展示内容発表。

先日来お伝えしている「G-tokyo 2010」は従来のバザー形式ではなく、国内トップの15ギャラリーが最大5m×6mのゆったりとしたブースで、個展または企画展形式のギャラリーショウを展開する。本日、全ギャラリーの展示内容が、以下の通り公開された。



アラタニウラノ│「archi+anarchy」展
岩崎貴宏、泉啓司、西野達、大木裕之、高嶺格、横山裕一

ギャラリー小柳│「Experiments」展
杉本博司、オラファー・エリアソン、トーマス・ルフ

ギャラリーSIDE 2│「SEE MAX」展
ムラタ有子、ピーター・マクドナルド、花澤武夫、齋藤雄介、マーク・ボズウィック、スーザン・チャンチオロ

ヒロミヨシイ│「3秒3分3日3人」展
泉太郎、井上信也、小金沢健人

ケンジタキギャラリー│「横内賢太郎新作展」│
横内賢太郎

児玉画廊│「ignore your perspective」展│
池谷保、田中秀和、関口正浩、和田絢、鷹取雅一、阿波野由起夫、坂川守

小山登美夫ギャラリー│「サイトウマコト個展 映像の記録と記憶」展
サイトウマコト

ミヅマアートギャラリー│「山口晃個展 柱華道」
山口晃

オオタファインアーツ│「かちどき 1」展
猪瀬直哉、樫木知子、草間彌生、さわひらき、見附正康、梅田哲也、小沢剛、竹川宣彰、イ・スギョン

SCAI THE BATHHOUSE│「テクスチャーと光」展(名和晃平キュレーション)
アニッシュ・カプーア、宮島達男、嵯峨篤、名和晃平、藤井秀全、神馬啓佑

シュウゴアーツ│「アーバン・スピリット」展(金氏徹平のキュレーション)
板垣賢司、金氏徹平、森千裕、横山裕一

タカ・イシイギャラリー│「Rain」展
トーマス・デマンド、畠山直哉、ピーター・キートマン

TARO NASU│「A Whole Hole」展
ライアン・ガンダー

ワコウ・ワークス・オブ・アート│「New Overpainted Photographs」展
ゲルハルト・リヒター

山本現代│「The Universe」展
西尾康之

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井上雄彦 最後のマンガ展 重版【大阪版】

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心斎橋・戎橋LUZビルに掲げられた巨大な看板 (C)サントリーミュージアム天保山


上野の森美術館、熊本市現代美術館と巡回してきた「井上雄彦 最後のマンガ展」が、1月2日から大阪・サントリーミュージアム天保山で始まっている(〜3月14日、チケットは日にち・時間指定の予約制なのでご注意下さい。購入は以下のサイトで)。そのプレス内覧会に、『BRUTUS』の特集「井上雄彦」を担当したS副編集長、担当編集W氏と行ってきた。

内容については実際に足を運んでご覧いただくしかないのだが、これまでと同様、ひとつのストーリーに貫かれた「マンガ」を、展示室から通路まで、館内全体を使って表現している。またそれぞれの展示スペースの特性に応じて、演出や作品そのものに毎回微妙な改変が加えられており、今回もサントリーミュージアム天保山ならではの展示となった。

…というより、「こんな演出が新たに!」とか、「ここ全然変わってるし!」と驚かされる個所が複数あり、展覧会自体に足を運ぶのは取材も含めて3〜4度目の私でも、非常に新鮮な気持ちで観ることができた。東京展もしくは熊本展を観たからいいや、と思ってる方、大阪展はまた別物ですから、行かないと損しますぜ(笑)。

またエラそうな書き方で恐縮なのだが、回を重ねるごとに大画面を描く井上さんの技量が「メキメキ」と音を立てて上がっていることもわかる。最初はややぎこちなさの見られた筆使いがすさまじい勢いでこなれていっているのだ。

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取材対応のため会場に来ていた井上さんにご挨拶。12日発売の「ブルータス特別編集『井上雄彦』」をお渡しする。風邪をひかれた様子。

最終的に初日の朝6時までかかって展示を完成させたそうだが、展示のクライマックスとなる場面のうち2点は、「ちょっと荒くて、立ち止まって長い時間みてもらえる絵ではなかったので描き直しました」と井上さん。

また1月2日にアップされたご自身の公式ブログ、「2010年は『リアル』丸10周年で10巻め、そして、12周年の『バガボンド』はラストイヤーとなるでしょう。・・・・なるはず。する。干支が一回りで(長い!)区切りもいいしね」という記述がヤフーニュースなどで配信されてしまった件については、「自分に対する決意として書いただけなんですけど(笑)。2011年にこぼれたらどうするんでしょうね。いやー、こぼれそうな気がするなあ」と笑ってらっしゃいました。

大阪展ならではのお楽しみもいくつか。来館の記念に武蔵と一緒の写真を撮れるコーナーや、携帯から井上さんにメッセージを送れるコーナーなども設置(井上さん、ちゃんと読んでます)。また雨天の場合には、館内のどこかに井上さん製作のてるてる坊主が吊るされる。

特設ショップも充実。0.9ミリのロットリング(シャープペンシル)井上雄彦モデルには、宝蔵院胤栄と柳生石州斎が「にょろ」っと登場。ほかTシャツやエコバッグ、手拭い、墨汁(!)、ピンバッヂなどお買い物心を刺激する「最後のマンガ展」グッズが勢揃いしている。またこれとは別に、チケット売場と同じフロアには『スラムダンク』はじめとする既存作品のグッズ売場も設けられている。


会期:2010年1月2日(土)〜3月14日(日)
休館日:月曜日(但し、1月4日、11日、3月1日、8日は開館します)
開館時間:10時30分〜20時(最終入場19時30分まで)                    
入場料:大人(高校生以上):1500円、小・中学生:500円
主催:アイティープランニング、サントリーミュージアム[天保山]
協賛:講談社
プロデュース:FLOWER
協力:上野の森美術館、凸版印刷、Spoon.

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公演情報 横浜美術館「束芋 断面の世代」展で〝トータルエクリプス〟を。

現在横浜美術館で「束芋 断面の世代」展を開催中の現代美術作家、束芋さんから、1月16、17日に展覧会場で行われる演劇公演についてお知らせをいただきました。以下、メールを一部訂正の上、引用させていただきます。

作家自身によるパフォーマンスには興味を示さず、むしろその表現領域を専門とするプロフェッショナルとのコラボレーションによって、自身の作品世界が広がり、深化することを志向する束芋だからこそ、の演劇公演です。

どうぞふるってご参加下さい。


劇団ワンダリングパーティーの 『トータル・エクリプス』の再演がいよいよ迫ってきました。

日程は16日に2公演、17日に1公演と、3公演あるのですが、こちらの宣伝が行き届かず、まだ各100席以上の空席がございます。

本当に本当に素晴らしい舞台なので、是非多くの方々に観ていただきたく、最後のお願いメールを送らせていただきました。どうかご興味のありそうなお友達などにも、このメールを転送いただければ幸いです。

また、当日は、この舞台を観に来ていただいた方だけに見ていただく、束芋の最新作を発表させていただきます。この作品は「断面の世代」展と『トータルエクリプス』をつなぐ役割を果たすもので、『トータルエクリプス』なしでは存在し得ない作品です。

現在、未だ制作中で、皆様には出来立てホヤホヤをみていただくことになります。

こちらも期間、場所ともに限定とはいえ、他の作品と変わらず、力を入れて作っておりますので、是非とも宜しくお願い致します。

3公演ともアフタートークを予定しております。当日は今までのイベント時とは違い、私自身も鑑賞者としてのんびり、うろうろしておりますので、声をかけていただければ嬉しいです。

もし周りにチケットをご購入していただける方がいらっしゃいましたら、ホームページ をご参照ください。

舞台の詳細はこちらから。

どうか、どうかご協力をお願い致します!!!


束芋


Photo

(チラシ画像はクリックで拡大)

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店子募集中。

不動産情報です。

渋谷区渋谷4丁目、表参道駅から徒歩7〜8分の閑静な高級住宅街にある、大型マンションの1階。現在ギャラリーが入居している、約36坪の物件で す。壁芯、階高290cm。1フロア丸ごとでも、分割での使用も対応。引き渡しは2010年5月頃を予定。周囲は野鳥なども数多く見られる、渋谷とは思え ない緑豊かなロケーション。室内は改装したばかりのホワイトキューブで、非常にきれいです。

オーナーがデザイン事務所やギャラリーなどの業種を希望しています。関心ある方は、コメント欄(非公開で対応)からご連絡下さい。

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買えます、椀一式。

椀一式 使う器へ

現在松屋銀座で開催中の「椀一式 使う器へ」。
年が明けたら「椀一式」の公式サイトがオープンしていました。
漆器の購入、書籍情報などもこちらで。

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「選ぶ」成熟。

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『椀一式』の書籍の話を書こうと思ったのだが、諸般の事情で後回しにした(でも近々)。その代わり本書に収録した原研哉さんと平松洋子さんの対談でも話題になった問題について少し。

自分自身も含め、幸田露伴−幸田文的家政術によって支えられてきた「日本人の暮らし」は既に存亡の危機に瀕している。むろんそこまで遡らなくても、コンビニ&レンチン食品が全盛を極め、切り身の魚が海を泳いでいると考える小学生が少なからず存在し、衣食住ほぼすべての領域の「暮らし」の内実をアウトソーシング(あるいは放棄)しても、身ひとつでも生きていけてしまう現代日本には、「漆を投げ込み、生かしていく生態系として、日本人の家、暮らしというものはもう成立していないんじゃないか」という問題がある。

暮らしの生態系。

確かに100円ショップとコンビニとユニクロで成り立っている生活の中からは、漆器に対する希求は生まれてこないだろう。

ところがそこで平松さんがこんなことをおしゃっている。

いくら漆が丈夫だといっても、使ったらすぐ洗って、拭いて、十分乾燥させてからしまう、という程度の手間はかかります。その一連の作業は負担と思えば負担かもしれません。でも生活というのは連続しているものだから。食べたら洗って、拭いて、しまって、という行為が既に、「暮らし」そのもの。

だから見方を変えれば、漆は陳腐な暮らしの中にいいリズムを作ってくれる、生活を躾けてくれる存在だと言うこともできる。それに「漆を使ってみようかな」という欲望が生まれるときって、漆そのものだけではなく、手間や時間がかかるかもしれないものの中に、平素の生活を変えてくれる、潤わせてくれるきっかけがあるかもしれないという直観が働いているような気がします。 
 
『椀一式』より

まともな工程で作られた漆器の値段は、絶対的な金額として決して小さくはない。誰にとっても必要なものだとも思わない。しかしその漆器を30年、50年と手入れしながら使いこなし、ものとして育てていく「暮らし」を、自分が是とするか否とするか、そういう判断も含めて自らの暮らしの「生態系」を構築していけることが、「成熟」ではないかと思うのだ。

安いからいい、安いほどいい、という価値観は当然ありだけれども、「安いほどいい」を「選ぶ」のではなく、思考停止してそちらへ雪崩を打つ、という幼稚な振る舞いの中で失われるものの大きさを考えると、暗然とする。

自分はといえば、「生態系」の砂漠化防止に漆器を導入してからずいぶん経つ。愛用しているのは、亡くなる少し前に清水の舞台から飛び降りる覚悟で購入した角偉三郎さんの器。

 

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角偉三郎 合鹿椀



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角偉三郎 ボウル   東京国立博物館に収蔵されている奈良時代の応量器(時代的にそう呼ぶべきではないけれども)を思わせるかたち。

ちなみに合鹿椀はそれこそ毎日、「カレーからヨーグルトまで」の食卓で使い倒しているもの。ボウルの出番はそれに比べれば10分の1以下だ。ご覧のとおり、ほんの数年しか経過していないものの、艶がまったく違う。「漆は使えば使うほど」を、はからずも見事に立証している。

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