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あざなえるご縁。

取材帰りに神楽坂方面から飛来した怪電波に捕まり、日本料理店「來経(きふ)」へ。こちらは千葉学氏設計の集合住宅の1階を、オーナーご夫妻が料理店として経営されているもの。オーナーご夫妻の兄上であるNYクリスティーズの山口桂さんがイケメン建築家の友人と会食しているというので、乱入させていただいた次第。

桂さんのブログに詳細がレポートされているが、いらしたのはレム・コールハースの事務所でパートナーを務める重松象平さん。桂さんのブログの頻出メンバーなので、初対面でもよく知っている相手のような気分。ガチンコ建築話…になるはずもなく、昼間ご覧になったという歌舞伎から、桂さんがヤクザの事務所へ美術品の査定に行ったときのエピソードまで、爆笑に次ぐ爆笑の無礼講ナイト。

さて「あざなえるご縁」について先日内田樹先生がブログに書いておられたが、この山口桂さんはご一族揃って能と縁が深く、国立の生家には能舞台があり、奥さまも元能楽師。内田ご夫妻の話は「大倉源次郎さんからずっと聞いていて」、先日内田先生の奥さまが出演された舞台もご覧になっている。

一方、桂さんの父上で82歳になる桂三郎氏は国際浮世絵学会の会長(『BRUTUS』浮世絵特集の折にもご協力いただいた)、また合気道家で、かつて植芝道場で学んだ方だという。

ということは内田先生の師である多田宏先生とは相弟子ということか。多田先生と言えば、「地上最強の80歳」。桂三郎氏も未だに桂さんを片手で投げ飛ばす遣い手だそうで、「父の超克」という男子に必須の通過儀礼が、物理的には一生果たせそうにないと嘆いていらした。

その桂さんが6歳の頃から机を並べて学んだ幼馴染みのご学友で、『クラシック迷宮図書館』の著者、片山杜秀さんと、4月17日にトークショウをさせていただくのがウチの父こと高橋源一郎、という次第。もうホントに、人間はどこでどうつながっているかわかりません。あ、ちなみに私も『芸術新潮』で小さい書評記事を書かせていただきました。

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