展覧会

工芸未来派

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「G-tokyo 2010」、展示内容発表。

先日来お伝えしている「G-tokyo 2010」は従来のバザー形式ではなく、国内トップの15ギャラリーが最大5m×6mのゆったりとしたブースで、個展または企画展形式のギャラリーショウを展開する。本日、全ギャラリーの展示内容が、以下の通り公開された。



アラタニウラノ│「archi+anarchy」展
岩崎貴宏、泉啓司、西野達、大木裕之、高嶺格、横山裕一

ギャラリー小柳│「Experiments」展
杉本博司、オラファー・エリアソン、トーマス・ルフ

ギャラリーSIDE 2│「SEE MAX」展
ムラタ有子、ピーター・マクドナルド、花澤武夫、齋藤雄介、マーク・ボズウィック、スーザン・チャンチオロ

ヒロミヨシイ│「3秒3分3日3人」展
泉太郎、井上信也、小金沢健人

ケンジタキギャラリー│「横内賢太郎新作展」│
横内賢太郎

児玉画廊│「ignore your perspective」展│
池谷保、田中秀和、関口正浩、和田絢、鷹取雅一、阿波野由起夫、坂川守

小山登美夫ギャラリー│「サイトウマコト個展 映像の記録と記憶」展
サイトウマコト

ミヅマアートギャラリー│「山口晃個展 柱華道」
山口晃

オオタファインアーツ│「かちどき 1」展
猪瀬直哉、樫木知子、草間彌生、さわひらき、見附正康、梅田哲也、小沢剛、竹川宣彰、イ・スギョン

SCAI THE BATHHOUSE│「テクスチャーと光」展(名和晃平キュレーション)
アニッシュ・カプーア、宮島達男、嵯峨篤、名和晃平、藤井秀全、神馬啓佑

シュウゴアーツ│「アーバン・スピリット」展(金氏徹平のキュレーション)
板垣賢司、金氏徹平、森千裕、横山裕一

タカ・イシイギャラリー│「Rain」展
トーマス・デマンド、畠山直哉、ピーター・キートマン

TARO NASU│「A Whole Hole」展
ライアン・ガンダー

ワコウ・ワークス・オブ・アート│「New Overpainted Photographs」展
ゲルハルト・リヒター

山本現代│「The Universe」展
西尾康之

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井上雄彦 最後のマンガ展 重版【大阪版】

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心斎橋・戎橋LUZビルに掲げられた巨大な看板 (C)サントリーミュージアム天保山


上野の森美術館、熊本市現代美術館と巡回してきた「井上雄彦 最後のマンガ展」が、1月2日から大阪・サントリーミュージアム天保山で始まっている(〜3月14日、チケットは日にち・時間指定の予約制なのでご注意下さい。購入は以下のサイトで)。そのプレス内覧会に、『BRUTUS』の特集「井上雄彦」を担当したS副編集長、担当編集W氏と行ってきた。

内容については実際に足を運んでご覧いただくしかないのだが、これまでと同様、ひとつのストーリーに貫かれた「マンガ」を、展示室から通路まで、館内全体を使って表現している。またそれぞれの展示スペースの特性に応じて、演出や作品そのものに毎回微妙な改変が加えられており、今回もサントリーミュージアム天保山ならではの展示となった。

…というより、「こんな演出が新たに!」とか、「ここ全然変わってるし!」と驚かされる個所が複数あり、展覧会自体に足を運ぶのは取材も含めて3〜4度目の私でも、非常に新鮮な気持ちで観ることができた。東京展もしくは熊本展を観たからいいや、と思ってる方、大阪展はまた別物ですから、行かないと損しますぜ(笑)。

またエラそうな書き方で恐縮なのだが、回を重ねるごとに大画面を描く井上さんの技量が「メキメキ」と音を立てて上がっていることもわかる。最初はややぎこちなさの見られた筆使いがすさまじい勢いでこなれていっているのだ。

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取材対応のため会場に来ていた井上さんにご挨拶。12日発売の「ブルータス特別編集『井上雄彦』」をお渡しする。風邪をひかれた様子。

最終的に初日の朝6時までかかって展示を完成させたそうだが、展示のクライマックスとなる場面のうち2点は、「ちょっと荒くて、立ち止まって長い時間みてもらえる絵ではなかったので描き直しました」と井上さん。

また1月2日にアップされたご自身の公式ブログ、「2010年は『リアル』丸10周年で10巻め、そして、12周年の『バガボンド』はラストイヤーとなるでしょう。・・・・なるはず。する。干支が一回りで(長い!)区切りもいいしね」という記述がヤフーニュースなどで配信されてしまった件については、「自分に対する決意として書いただけなんですけど(笑)。2011年にこぼれたらどうするんでしょうね。いやー、こぼれそうな気がするなあ」と笑ってらっしゃいました。

大阪展ならではのお楽しみもいくつか。来館の記念に武蔵と一緒の写真を撮れるコーナーや、携帯から井上さんにメッセージを送れるコーナーなども設置(井上さん、ちゃんと読んでます)。また雨天の場合には、館内のどこかに井上さん製作のてるてる坊主が吊るされる。

特設ショップも充実。0.9ミリのロットリング(シャープペンシル)井上雄彦モデルには、宝蔵院胤栄と柳生石州斎が「にょろ」っと登場。ほかTシャツやエコバッグ、手拭い、墨汁(!)、ピンバッヂなどお買い物心を刺激する「最後のマンガ展」グッズが勢揃いしている。またこれとは別に、チケット売場と同じフロアには『スラムダンク』はじめとする既存作品のグッズ売場も設けられている。


会期:2010年1月2日(土)〜3月14日(日)
休館日:月曜日(但し、1月4日、11日、3月1日、8日は開館します)
開館時間:10時30分〜20時(最終入場19時30分まで)                    
入場料:大人(高校生以上):1500円、小・中学生:500円
主催:アイティープランニング、サントリーミュージアム[天保山]
協賛:講談社
プロデュース:FLOWER
協力:上野の森美術館、凸版印刷、Spoon.

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公演情報 横浜美術館「束芋 断面の世代」展で〝トータルエクリプス〟を。

現在横浜美術館で「束芋 断面の世代」展を開催中の現代美術作家、束芋さんから、1月16、17日に展覧会場で行われる演劇公演についてお知らせをいただきました。以下、メールを一部訂正の上、引用させていただきます。

作家自身によるパフォーマンスには興味を示さず、むしろその表現領域を専門とするプロフェッショナルとのコラボレーションによって、自身の作品世界が広がり、深化することを志向する束芋だからこそ、の演劇公演です。

どうぞふるってご参加下さい。


劇団ワンダリングパーティーの 『トータル・エクリプス』の再演がいよいよ迫ってきました。

日程は16日に2公演、17日に1公演と、3公演あるのですが、こちらの宣伝が行き届かず、まだ各100席以上の空席がございます。

本当に本当に素晴らしい舞台なので、是非多くの方々に観ていただきたく、最後のお願いメールを送らせていただきました。どうかご興味のありそうなお友達などにも、このメールを転送いただければ幸いです。

また、当日は、この舞台を観に来ていただいた方だけに見ていただく、束芋の最新作を発表させていただきます。この作品は「断面の世代」展と『トータルエクリプス』をつなぐ役割を果たすもので、『トータルエクリプス』なしでは存在し得ない作品です。

現在、未だ制作中で、皆様には出来立てホヤホヤをみていただくことになります。

こちらも期間、場所ともに限定とはいえ、他の作品と変わらず、力を入れて作っておりますので、是非とも宜しくお願い致します。

3公演ともアフタートークを予定しております。当日は今までのイベント時とは違い、私自身も鑑賞者としてのんびり、うろうろしておりますので、声をかけていただければ嬉しいです。

もし周りにチケットをご購入していただける方がいらっしゃいましたら、ホームページ をご参照ください。

舞台の詳細はこちらから。

どうか、どうかご協力をお願い致します!!!


束芋


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(チラシ画像はクリックで拡大)

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G-tokyo 2010 1カ月前!

11月27日付のブログで「新たなアートフェア」としてご紹介した《G-tokyo2010》、開催1カ月前を迎えて、新しい情報が発表されたので、速報を。


■TOPIC 1

G-tokyoトークセッション
現代的/日本的表現とは何か?

『G-tokyo 2010』の開催に伴い、バイリンガル・アートポータル『ART iT』のプロデュースの下、「現代的/日本的表現とは?」をテーマに、次世代を担う作家によるシンポジウムを行います。現代社会において、作家は常にグローバルなマーケットで勝負することが求められますが、日本人の作家(現代美術作家/建築家)はグローバルなアイコン作品競争からは一定の距離を保ちつつ、独特の表現領域
を構築しているように思えます。ここでは、そうした現代的/日本的な表現に卓越していると思われる建築家/アーティストを集め、その表現の独自性と可能性を探ります。

日時:2010年1月31日(日)
出演者:
 藤村龍至× 中村竜治× 長谷川豪、金氏徹平× 永山祐子、名和晃平×石上純也。青木淳×杉本博司、藤本幸三× 西沢立衛

モデレーター:五十嵐太郎(建築史家、建築評論家)
司会進行役:藤村龍至(建築家)

※事前予約制 1月15日正午より公式サイトにて受付開始。


■TOPIC 2
『G-tokyo 2010』ラウンジスペースのキーワードは建築とデザイン。

時代をリードするクリエーターのプレゼンテーションがアートフェアの会場を繋ぎます。

I. ラウンジD
世界が最も注目するデザインデュオ、ロナン&エルワン・ブルレックのデザインによる家具でスペース全体を構成。既成の概念に捕らわれず、作品と使い手の新しい関係性をも提案する印象的なフォルムが特徴です。その注目のデザインをどうぞご堪能ください。

II. ラウンジA
新進気鋭の建築家、藤本壮介氏が担当。国内外問わず、若手建築家として注目されている藤本壮介氏が『G-tokyo 2010』のためにラウンジをデザイン。その建築的表現をアートフェアでご体験ください。


■TOPIC 3
会場の家具構成はすべて hhstyle.com によるディレクション

各ギャラリーブースを彩るのは世界の主要家具ブランドを取扱う hhstyle.com によりセレクトされたデザイン家具の数々です。
ギャラリーの展示にあわせてひとつひとつ選定されたテーブルや椅子がゲストの皆様をお迎えします。

【 開催概要 】
G-tokyo 2010
主催    :『G-tokyo 2010』実行委員会
会場    :森アーツセンターギャラリー 東京都港区六本木6-10-1  六本木ヒルズ森タワー 52F
日時    :2010年1月29日(金) VIP/プレスプレビュー
        ご招待者のみ(ファーストチョイス) 14:00-20:00
        プレスプレビュー            15:00-20:00
        2010年1月30日(土)、31日(日) 一般公開 
        11:00-20:00
入場料   :一般1000円(当日券のみ販売いたします)

特別協賛:エルメス
協賛:inter.office|hhstyle.com、ジェロボーム株式会社
協力:原美術館、森美術館、サントリー美術館、グランド ハイアット東京、大宝運輸株式会社
メディアスポンサー:ART iT

公式ウエブサイト: http://www.gtokyo-art.com 
お問合せ:info@gtokyo-art.com
tel:03-5777-8600 (会場ハローダイヤル)

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「内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」展

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神奈川県立近代美術館で開催されている「内藤礼 すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」展を見てきた。ジョルジュ・バタイユが『宗教の理論』に記した一節をタイトルとし、坂倉準三によるモダニズム建築の内外に新作インスタレーションを制作している。

第1展示室には10年(以上)ぶりに電球光を使った作品が、《地上はどんなところだったか》として復活。観客が一度に一人ずつその中へ歩いて入っていくことのできる展示ケースが2か所設けられ、作品と対話することができる。その場に身を置き、感覚を解放していくうちに、作品の細部を「発見」していくという構造は、ベネッセアートサイト直島の家プロジェクト「きんざ」によく似ている。

風を受けて中庭にひるがえるリボン、繰り返し登場するフラワープリントの布、水を満たしたガラス瓶──。新たな段階へ移行しつつある内藤の、新旧の作品と建築が呼応、交錯しながら、「地上における生」の全体性を回復することへの強く透明な希求を結晶させている。

〜1月24日まで
12月28日~ 1 月4 日、 1 月12 日
午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)
一般 700円
神奈川県立近代美術館 鎌倉
神奈川県鎌倉市雪ノ下2-1-53 
電話:0467-22-5000(代表)

内藤礼氏によるアーティストトーク
2010 年 1 月11 日(月曜/祝日)午後2時より  
神奈川県立近代美術館 鎌倉、予約不要、無料


小柳敦子氏(談)
西沢立衛さんとご一緒したのですが、あれを見て西沢さんはすごく自由を感じた、と。内藤さんはどちらかというと、緊張させたり、意識の深遠に導かれたり、観客にとって「自由」とは対極の位置にいる作家なのですが、風が自由に入る坂倉準三さんの建物がそうであるように、内藤さんも自由だと思った、とおっしゃっていました。

難しい言い方をするまでもなく、まず美術館とは何かということを考えさせられる展示です。そもそも「展示室1」「展示室2」という区別にどんな意味があるのか。坂倉(準三)さんは、1階は絵画、2回は彫刻、屋外は屋外彫刻と分けていきましたが、内藤さんはその「仕分け」を見事に裏切って、展示によって美術館の中も外も等価にしてしまっている。そこがすごく面白いし、坂倉さんが生きていらしたら、やはり面白がって下さったと思うのです。

そして風の道や光の道といった坂倉さんの設計意図を把握した上で、その意図を取り込んだ形で作品を設置している。天から降りてくるような中庭のリボンが踊るだけで、そこが風の通り道だとわかるんです。また池に面したテラスに垂らされた長いビーズに日が射すとビーズがきらきらと輝き、天井には水面に反射した光が映って、平面の世界と立体の世界が、調和している。それはもう、見事です。ぜひ天気のいい日に訪れてください。



 『美術手帖』2008年11月号「ARTIST INTERVIEW」より抜粋(インタビュー&構成:橋本麻里)

──これまでの内藤さんの作品には、ひとつの強力な方向性がありました。

内藤 自分でコントロールしきれないものを求めているのだと思います。横浜トリエンナーレに出展した〈無題(母型)〉なら、熱や水の対流によって発生する 動きがそうですし、2001年に完成した直島の家プロジェクト〈きんざ〉も、外界から完全に遮断された屋内で体験する作品ではなく、低い位置に開口部が あって、外の風景が感じられるようになっています。そこを誰が歩くとか、誰が立ち止まるとか、外にどんな作品があるかということは、私にはコントロールできませんよね。自分の理解の内側だけで制作しない、理解を超えたり、理解しきれないものをそのまま受け入れて「完成」する作品、そういう方向に向かっているような気がします。

──「私はいるのか」という疑問に捕らわれていた頃、内藤さんにとって他者はどのような存在だったのでしょう。

内藤 恐怖でした。1991年の佐賀町エキジビットスペースで発表した〈地上にひとつの場所を〉は、会場の内部にフランネルのテントを張っています。鑑賞者はやはりたった1人で、完全にコントロールされた空間の中に入って作品を鑑賞する。それが2002年、ライスギャラリーでの展示では、自然光を受け入れ、音や外の気配は感じられるけれども、作品の内部にいる鑑賞者からは外が見えない、完全にベールを剥ぎ取らないでほしい、というくらいの距離感になり、 東京都現代美術館の〈無題(母型)〉では、ついに外の動きが見えるようになった(笑)。何人で通り過ぎてもらってもいいし、何が見えてもいい。死者が振り 返って見たときの地上の風景、しかもそこに生きて在る人間を含む環境、生の全体を眺めたいということなんです。そうやって、たまたま自分が生まれた場所で 受け取ったもの、縛られているもののすべてに納得できたとき、地上における生が「祝福」となるのではないか。生命としての実感が薄いから、そんな風に「祝福」について考えるようになった気がします。

──内藤さん自身、生命であることについての実感が薄いのですか?

内藤 それこそが探しているものだと思います。作品を通してわずかに感じられる瞬間があるからやっていられるというか……。言語を使って考えることと、本 当に深く自分の全身で「わかった」と感じることとは、違いますよね。「外がある」「他人がいる」と初めて気づいた時と同じように、「自分が生命である」ことを感じたい。最近、動くものに興味を持っているのも、そこに「アニマ」、生命の本質があるからだと思っています。

──素材という言葉がふさわしいかどうかわかりませんが、言葉という素材の使い方も変わってきています。なぜかこれまで内藤作品について論じる書き手のほ とんどは男性で、しかもその多くが作家の「女性性」について言及してきました。これに対して、というべきか、内藤さん自身が作品のタイトルとして、〈母 型〉という言葉を選んでいますね。

内藤 その傾向については、私自身も不思議に思っています(笑)。どうも男性にとって、「母」は男性のために存在する対象であって、男性にしか「母」はい ない、と思っている節がある。でも女性だって細胞分裂で生まれてきたわけじゃなく、母はいますし、女性にとっての女性、という存在もある。それがなんなの かということを、まだ自分の言葉として解体したことがないから、説明するのは難しいんですが……。それに〈母型〉を一所懸命作るのも、私の中にそれがないからでしょう? 自分にないものだからこそ希求するわけだし、そこに男女の別は、本質的にはないはずです。それにもうタイトルなんか付けたくない、という 気持ちになってきているせいか、最近はポツポツと〈無題〉という作品が出てきています。本当のところ、〈地上にひとつの場所を〉も〈母型〉も、同じ意味だ と言ってしまっていい。それでも女性性に関わる問題は、自分から言わない限り気づいてもらえなさそうなので、〈母型〉という言葉で明示し始めたんです。

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色のデザイン。

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『Casa BRUTUS』で連載中の「ニッポンの老舗デザイン」第14回(09年12月号)では、京都の染織「染司よしおか」を取り上げた。

 形を作るばかりが「デザイン」ではない。「色」の設計もまたデザインだとすれば、色が厳密なルールとコードに則って運用されていた時代のそれに肉薄する染司(そめのつかさ)よしおかの仕事は、現代のもっとも先鋭なデザインだと言えはしないか。

 ジミシブどころか明るく、鮮やかに澄んだ色、色、色。これらはすべて奈良、そして平安時代に用いられた染色技術によって制作されたものだ。現代ではいつ、どんな色を身にまとうかは、個人の嗜好に委ねられているが、かつて色とその組み合わせは、使い手の社会的地位や教養、洗練度まで表現する、厳密で広大な記号の体系をなしていた。

インスピレーションの赴くまま、ではなく、資料に残る古代の色を可能な限り正確に再現するという、色の文化のいわば「発掘」を行っているのが、京都に200年続く染め屋、染司よしおかの5代目、吉岡幸雄(よしおかさちお)さんだ(以下略)。「ニッポンの老舗デザイン」第14回「染司よしおか」より

その吉岡幸雄さんの仕事の中でも、最近目にする機会の少なかった東大寺の伎楽衣装や法隆寺の幡などが、来年平城京建都1300年を迎えるのを機に、今回の日本橋高島屋での展覧会を嚆矢として、頻繁に出展されることになりそうだ。

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会場風景(写真はすべてクリックで拡大)。

12月17日〜25日まで、日本橋高島屋8階ギャラリーで開催された「日本の色、万葉の彩り」展。ご案内を『BRUTUS』編集部宛にいただいていたので、開催を知ったのは、久しぶりに編集部に顔を出した24日。最終日の25日夕方になんとか駆け込むことができたのだが、事前に分かっていたら、ガンガン広報して大勢の方にご覧いただきたかった、素晴らしい展示だった。

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会場入り口を飾る幡。

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復元された東大寺の伎楽衣装の数々。

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同じく東大寺伎楽装束より、部分。


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東大寺管長のための袈裟。起源は、インドの仏教僧侶が身にまとっていた布だが、仏教がより寒冷な地方に伝播するにつれて、下衣が着られるようになり、中国に伝わる頃には本来の用途を失って僧侶であることを表す装飾的な衣装となった。日本に伝わってからは、さらに様々な色や金襴の布地が用いられるようになり、その組み合わせによって僧侶の位階や特権を表すものになった。


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日本史で習ったあの「獅子狩文錦」の復元。これほど鮮やかな色だったのかと言葉を失う。

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東大寺の修二会で使われる椿の造り花。この造花のための和紙の染めを染司よしおかが手がけている。


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物販はデパート展のお約束だが、それぞれの商品に凝らされた技術は、天平〜平安時代の染織技術がそのまま応用されている。いわば宇宙開発や軍事といった超高度な技術を研究する企業が、オーバースペックな技術を民生用に転換した製品のようなもの。ロハス系「草木染め」のイメージを見事に覆す、異次元の迫力を湛えている。

染司よしおか●京都市東山区新門前通大和大路(縄手通)東入●075・525・2580、10時~18時、夏期・年末年始休。基本は「染め屋」なので、既製品ばかりでなくオーダーも受け付ける。仕立てや織りの部分も相談に乗ってもらえるので、オリジナル度の高い注文が可能。

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「椀一式」プロジェクト [2]  箱と重

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撮影:石井宏明(このエントリーすべて)



「椀一式」プロジェクトの第2部がこちら。第1部に引き続き、松屋デザインギャラリーで2010年1月27日〜2月23日に開催される。

依頼のあった当初、デザインコミッティーの間で話し合われたのは、以下のような内容だった。

「伝統工芸品に安易にデザインを持ち込むことには皆、抵抗がある。伝統の形は誰かが意図して作れるようなものではなく、人々の暮らしの中で積み重ねられてきた遠大な営みの賜であることを経験的に理解しているからである。(中略)日常の無数の行為の堆積の中に伝統の形は育まれてきた。だから当初、飛騨春慶を用いて何か新しいものをと請われた時には皆、二の足を踏んだ」

「なすべきはデザインではなく、飛騨春慶の素晴らしさを見立て直すことではないかという思いであった。特に箱の数々は簡潔で美しく、新たなデザインの余地など見あたらない。もしこれが売れないなら、造形ではなく、暮らしの中でそれらをどう使うかという見立てが不足しているからだ」単行本『椀一式』前書き(原研哉)より

最終的に第1部は昨日のエントリーでご紹介した「椀一式」を新たにデザインし、第2部は同じメンバーが、それぞれの目で製品を見立て、使い方を含めて提案するという構成になった。単行本も後半は「箱と重」として、この美しい箱の数々を写真とメンバーのテキストによって紹介している。 

   

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第662回デザインギャラリー1953企画展
飛驒春慶×日本デザインコミッティー 「椀一式 ー 使う漆器へ」
2010年1月27日〜2月23日
松屋7階・デザインギャラリー1953

東京都中央区銀座3-6-1 電話 03-3567-1211(大代表)
共催:日本デザインコミッティー、(財)飛驒地域地場産業振興センター、(財)岐阜県産業経済振興センター デザインセンター(通称:オリベデザインセンター)

展覧会担当:原研哉(プロジェクト+展覧会+書籍のディレクションを担当)
出展:飛驒春慶ひのき会
 代表:日進木工(株)代表取締役 北村 斉
 職人:中屋憲雄、西田恵一、滝村紀貴、矢島浩(日進木工)、他

参加デザイナー(日本デザインコミッティーメンバー):深澤直人、原研哉、岩崎信治、川上元美、小泉誠、黒川雅之、松永真、佐藤卓

■問い合せ先
日本デザインコミッティー事務局
東京都中央区銀座3-6-1松屋北館4F
電話03-3561-2572 F03-3561-6038 
e-mail:jdcommit@yb3.so-net.ne.jp
URL : http://designcommittee.jp/
担当:土田真理子、樋口珠由子

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「椀一式」プロジェクト [1]

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撮影:石井宏明(このエントリーすべて)



予告だけしてそのままになっていた「椀一式」プロジェクト、やっとご紹介できるところまでたどりついた。私自身は書籍の編集、執筆を担当している。

これは岐阜県の産業支援機関である(財)岐阜県産業経済振興センター デザインセンターの委託を受け、2008年度から日本デザインコミッティーが飛驒春慶塗の職人たちと商品開発に携わってきたプロジェクト。

一般的な漆塗として知られる黒漆、朱漆に対して、木目の美しさを見せる透明な漆塗の技法を代表するのが、飛騨の地に蓄積されてきた高度な木工の技術と質の高い木材、そしてそれを活かす透漆塗の技法とが五分で結びついた飛騨春慶である。

江戸時代初期に飛騨を領国とした大名・金森家から出た茶人の金森宗和とゆかりが深く、茶道宗和流と結びついて発展してきたが、近年では使われる場面が激減、衰退の一途を辿っている。

この春慶塗の可能性を追求すべく、日本デザインコミッティの8人が商品開発のプロジェクトに参加した。

ディレクションを担当した原研哉による制作のテーマは、「椀一式」。

重箱や茶道具のような、普段の生活から遊離した対象物ではなく、最も身近な「汁椀」であれば、無理な背伸びをしなくてもデザインできる。現代の日本の暮らしに最も密接な漆器は「汁椀」だからだ。どうせならそこにふさわしい「飯碗」を見立てて盆というステージに載せ、箸を添えて「一式」としてしつらえてみようという趣向である。

 日常使いの「汁椀」と「飯碗」ならば、少々値が張っても買い求め、日々の食卓に供するゆとりは持ちたい。日本人なら皆、潜在的にそう思っているはずだ。だからこれを「椀一式」のしつらいと称して、余裕のある大人の一つのたしなみとして提案する。おそらくは「夫婦茶碗」という言葉が陶磁器の世界で果たしてきたような、ささやかだが根強い広告効果のようなものが、「椀一式」という言葉にも宿るかもしれない。そんな風に考えたのだ。

単行本『椀一式』前書きより(原研哉)

深澤直人、原研哉、岩崎俊治、川上元美、小泉誠、黒川雅之、松永真、佐藤卓の8名が、この企画に参加。汁椀、箸、盆の3アイテムをそれぞれデザインし、飯茶碗は岐阜県内の窯から選んだ陶器を組み合わせている。

購入可能な8種類の作品は、2009年12月27日(日)〜2010年1月25日(月)まで、松屋7階・デザインギャラリー1953での飛驒春慶×日本デザインコミッティー「椀一式 − 使う漆器へ」展で展示され、展覧会と合わせて同タイトルの書籍も刊行される。さらに、2010年1月14日(木)銀座3丁目・アップルストア銀座で、原研哉、小泉誠らによるトークショーも開催される。

このブログでは真俯瞰の写真しかご紹介できないのだが、書籍では写真家・石井宏明さんが下から横から舐めるように撮影された作品写真、さらに下北沢の日本料理店「七草」店主、前沢リカさんに料理制作を担当していただき、それぞれの作品に盛りつけた状態で撮影した写真などをたっぷりご覧いただける。

さらに原研哉さんと平松洋子さん、黒川雅之さんと西田恵一さん(木地師)、滝村貴紀さん(塗師)による鼎談、小泉誠さんと佐藤卓さんによる対談なども収録され、読み応えも十分。展覧会と併せてお楽しみいただきたい。

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深澤直人

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原研哉

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川上元美

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岩崎信治

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黒川雅之

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小泉誠

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松永真

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佐藤卓


【展覧会】
第661回デザインギャラリー1953企画展
飛驒春慶×日本デザインコミッティー「椀一式 ー 使う漆器へ」

2009年12月27日(日)〜2010年1月25日(月)
松屋7階・デザインギャラリー1953

東京都中央区銀座3-6-1 電話 03-3567-1211(大代表)
共催:日本デザインコミッティー、(財)飛驒地域地場産業振興センター、(財)岐阜県産業経済振興センター デザインセンター(通称:オリベデザインセンター)

展覧会担当:原研哉(プロジェクト+展覧会+書籍のディレクションを担当)
出展:飛驒春慶ひのき会
 代表:日進木工(株)代表取締役 北村 斉
 職人:中屋憲雄、西田恵一、滝村紀貴、矢島浩(日進木工)、他

参加デザイナー(日本デザインコミッティーメンバー):深澤直人、原研哉、岩崎信治、川上元美、小泉誠、黒川雅之、松永真、佐藤卓

【書籍】
飛驒春慶×日本デザインコミッティー「椀一式 ー 使う漆器へ 」

発行:日本デザインコミッティー
ディレクション:原研哉
編集協力:橋本麻里
写真:石井宏明
出版社:実業之日本社
A6判/151ページ/2010年1月1日発売予定
販売価格:2000円前後

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オラファー・エリアソン 虹と霧のバラード。

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「あなたが創りだす空気の色地図」 人工的に発生させた霧で満たした展示室をRGBカラーモデルにある赤、緑、青の三原色が照らし出す。色域が境界上で混ざり合い、移動するにつれて視野を占める色が移ろっていく。今回の展示のクライマックス。この作品を体験するためだけにでも、金沢へ行く価値あり。それにしても人工の霧をつくり出すドイツ製のhaze machineは優秀&不思議だ。「霧」の成分はなんなのだろう。湿度はほとんど感じないし、もちろん健康面でも問題ないというけれど…。オラファとしては館内全体を霧で覆いたかったようだが、諸般の事情で断念。一時的にその状態にして図録用の撮影を行っているので、図録の完成を楽しみに待ちたい。



オラファー・エリアソンによる大規模な個展 "Your chance encounter(あなたが出会うとき)"が、金沢21世紀美術館で始まった。

今展は開館5周年記念展として企画されたもので、SANAAによる建築の水平性、回遊性、透明性を生かし切ったサイトスペシフィックなインスタレーションが、新作を中心に18件展示されている。

オラファー・エリアソンは2003年、テート・モダン(ロンドン)のタービン・ホールで発表した《The Weather Project》によって一気に世界中で知られるようになった作家だが、日本ではまさにその03年、21世紀美術館開館時のコレクションに加えられてお り、06年には原美術館で「影の光」展も開催された。

オラファーの作品は光、影、色、霧、風、波などさまざまな自然現象を分解、再構成して人間の知覚を揺さぶり、認識の組み替えを迫る。

だがそれを「自然」現象という言葉で表現すると、少し印象が違うかもしれない。オラファーの作品に接すると、それは私たちが日頃、光、影、色、霧、風、波 という文学的なイメージと共に認識することがらとしてではなく、物理法則に従って生起し、感覚器によって知覚し、最終的に脳の情報処理過程で情動と連動さ せながら認識している、気象、あるいは物理現象のひとつだったのだと、再確認させられる。

にもかかわらず、というか、だからこそ、というべきか、オラファーの作品には私小説風のウェットな物語性は微塵もない代わりに、優れた科学的知見や科学者自身が備えているのと同じ詩情が豊かに、霧のように立ちこめている。

いずれにせよ、生身の身体をその場におき、自らの感覚器で知覚しないことには理解できない作品ばかりなので、3月22日までになんとかして金沢まで足を運んでほしい。これほどさまざまなバリエーションの作品に、国内で触れることができる機会はしばらくないだろうから。



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「スターブリック」 スタッキングできる照明。ドイツのツムトーベル・スタッフ社の製品で、1基30万円程度で販売されている。「おうちにひとついかが?」と勧められたが、1基だけあってもサマにならない。壁面にびっしり積み上げる、とかしないと…。

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「動きが決める物のかたち」 精密なCGかと思ったら……

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リアルな3次元の回転体を投影している。

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「見えないものが見えてくる」 霧で満たされた縦長の展示室の端から、途中ガラスの箱を通過させた強力な光条が放たれている。その光の前を横切ろうとすると、物理的な圧迫感させ感じさせられる。

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「色のある影絵芝居」 光源と万華鏡のような立体的なスクリーンの間に人が立つとご覧のような影絵が映る。

 

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「ゆっくり動く色のある影」 オラファーは展示室内に「機構」をむき出しで設置するため、この作品も見てみれば拍子抜けするほどシンプルな原理に基づいて設計されたことがわかる。同時に作品化されるまでに気が遠くなるほど精緻な検証が行われたであろうことも。だいたい物理法則というのは単純な式で記述されるものほど深遠で美しいと相場が決まっている。E=MC2とか。

 

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「水の彩るあなたの水平線」 展示室中央に水盤が設置され、そこから投射される(いったん水中で反射、屈折が起こっていると思うのだが)光が壁面に極光を描き出す。

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「ケプラーは正しかった自転車」 ヨハネス・ケプラー(1571〜1630)はドイツの天文学者にして占星術師。「完全なる神は完全なる運動を造られる」として、コペルニクスやガリレオも脱却できなかった惑星の円軌道説を否定、楕円軌道説を提唱したわけだが、この作品はそのあたりに基づいているのでしょうか。作家に聞いてみないとわかりません(笑)。ちなみに主著〝Harmonice Mundi 〟は『宇宙の調和』として工作舎より09年に刊行された。ラテン語原典より本邦初の完訳。

 

図録は会期中に(たぶん)刊行される予定。オラファー自身が図録全体のディレクションを希望し、作品写真も設置の終わった一昨日(19日)に自ら撮影したそうだ。

もちろん巡回もない。共催できれば経費を分担できるため美術館としては楽になるのだが、この館のために(建築ばかりではなく、この館を包含するコミュニティ全体も含めて)企画された展示であるため、他館への移設は不可能であるとして、これもオラファーによって却下された。

 

Olafur Eliasson "Your chance encounter"
オラファー・エリアソン - あなたが出会うとき

2009年11月21日(土)~2010年3月22日(月)
10:00〜18:00 (金・土曜日は20:00まで/1月2、3日は17:00まで)


会場
金沢21世紀美術館
展示室6〜12、14


休場日:
毎週月曜日(ただし、11月23日、1月11日、3月22日は開場)、
11月24日(火)、12月29日(火)~1月1日(金)、1月12日(火)料金:

料金:
一般=1,000円
大学生・65歳以上=800円
小中高校生=400円

お問い合わせ:
金沢21世紀美術館
TEL 076-220-2800

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